アトリエ再現コーナー

こちらは、鎌倉のアトリエの一部を再現しました。亡くなるまで愛用していた絵筆や刷毛、岩絵具といった画材、描きかけの絵や、大下図を展示しています。

晩年の平山は国内外に多くの職務を抱えていました。しかし朝早く起き、また帰宅すればどんなに遅い時間でも、欠かさずアトリエに向かいました。キャンバスに向かうとすべての雑念が消える・・・アトリエで1人しずかに膠をとき、筆を握り、制作に打ち込んだのです。

イーゼルの上の絵をご覧ください。入退院を繰り返した最後の日々も、病室の窓から見える風景やお見舞いの花をスケッチしていました。そうした下図を元に描き始めたのが、この《最期の風景》です。院展出品を目指して描いていたのですが、叶うことはありませんでした。美知子夫人は、「あの世ではもう仕上がっているのでしょう」と語っています。
2009年12月、79才で世を去った平山郁夫。日本画家として、そして文化財保護活動を通じた世界平和運動の推進者として、全力疾走した生涯でした。